チェーンに横曲げを受けないようにして下さい。
廻し吊などの場合下表を基準とする。
吊角は出来るだけ小さくしてください。
ベータ角30°以上はすべりが発生します。
吊荷角度の強さ効率(表A)
吊り荷角度α | 90°以上 | 45° | 30° |
強さ効率% | 60 | 50 | 45 |
吊角度αにおける強さ効率(表C)
吊角度α | 30° | 45° | 60° | 90° | 120° |
強さ効率% | 96 | 92 | 86 | 70 | 50 |
チェーンが熱影響を受けないように注意して下さい。400~500℃は青熱脆性による衝撃値が低くなります。
高温作業における使用荷重の効率(表B) 単位%
-40℃を超え 200℃以下 |
200℃を超え 300℃以下 |
300℃を超え 350℃以下 |
350℃を超え 400℃以下 |
400℃を超え 475℃以下 |
475℃を超え | |
M(4) | 100 | 100 | 85 | 75 | 50 | 使用不可 |
S(6) | 100 | 90 | 75 | 75 | 使用不可 | |
T(8) | 100 | 90 | 75 | 75 | 使用不可 |
- ・ 2本吊以上については均等に荷重をかけて下さい。
- ・ チェーンにねじれを起さないよう注意下さい。
- ・ 吊り作業中又はチェーンがアースとなるような場所での溶接作業はしないで下さい。(アークストライクが破断原因となる。)
- ・ チェーンの切断は高速切断機などで行い熱影響を受けないようにして下さい。(ガス溶断はしないで下さい。)
- ・ 定期的に下記基準により点検を行って下さい。
点検及び廃棄基準
dn:呼び径 d:湾曲部の線径 P:ピッチ
点検事項 | 廃棄基準 | 補修及び対策 | |
アークストライク | 小さいものでも不可 | 廃棄 | |
き裂 | 小さいものでも不可 | 深さdn×0.05迄のもので有れば、グラインダー又はヤスリでなめらかに取って下さい。 | |
きず | 深さ溶接部max.0.07dn その他max.0.1dn |
鋭利なきずはグラインダー又はヤスリにてなめらかに削り取って下さい。 | |
変色 | 灰色・鈍青色は不可 | 変色しているのは熱影響を受けたためで、強度の点で(表B)の範囲内で使用されているか検討して下さい。 | |
曲がり | x=0.1dn | 曲がり又はねじれが発生していることは、オーバーロード(集中荷重含)によるものなので、荷重に見合った強さのチェーンにサイズアップして下さい。 | |
ねじれ | x=0.1dn | ||
摩耗 | x=d-0.1dn | 短期間に基準に達する場合は粉塵によるためか、もしくは荷重が大きすぎるかの原因があるからなので、夫々に応じた解決をはかって下さい。 | |
伸び | Y=1.05P | 外ピッチに伸びが出たらオーバーロードです。サイズアップして下さい。 |
※湾曲部の線径(d)は、製造上の理由により呼び径(dn)より細くなりますが、品質上の問題はなく破断強度は満足致します。
メッキ及び塗装による破断荷重の低下
メッキ
メッキ温度と焼戻し温度の差、その他の原因によりメッキ品は約15%強度低下致します。強力チェーンのメッキは特殊です。必ず弊社にご用命下さい。
塗装
塗料及び油脂類がチェーンに付着したまま破断試験を行うと、最大8%位の強度の低下があります。
(破断面が油脂によりすべりを起しチェーンの破断伸びが減少) ISO・テスト条件に油脂類の排除が規定されて居ります。
実際に使用する場合は使用中に塗料が取り除かれてしまい何ら問題はありません。
※弊社製品の破断荷重値はすべて塗装していない製品にて試験した値を記入してあります。
コンベヤチェーンについて
ご注意事項
塗装
チェーン及びコンベヤ部品について、メッキを行うと強度が低下するため、行わないで下さい。また熱のかかる塗装も行わないで下さい。
また、防錆油によっては、破断荷重を低下させることがありますので使用しないで下さい。
安全について
- 2.1 コンベヤ部品の点検は、コンベヤ稼動中には絶対に行わないで下さい。完全に停止した事をご確認下さい。
- 2.2 コンベヤ部品の点検を実施する際は、機器制御盤に点検中である事を明示し、誤操作が無いよう対処下さい。
- 2.3 コンベヤ部品の点検作業は、出来る限り搬送側でなく帰り側で行って下さい。搬送側で実施する場合は上部からの落下に十分ご注意下さい。
- 2.4 チェーンを切り詰めする時は、切断機を御使用下さい。チェーンには熱処理を実地しています。チェーンを高温に晒した場合、その熱処理効果を損失させる場合があります。
リンクチェーンの点検及び廃棄基準
点検事項 | 廃棄基準 | 補修及び対策 | |
アークストライク | 小さいものでも不可 | 廃棄・スパッタは取り除いて下さい。 | |
き裂 | 同上 | 使用しないで下さい。 | |
きず | 溶接部max.0.07d その他max.0.1d |
鋭利なきずはグラインダー又はヤスリにてなめらかに削り取って下さい。補修後、溶接部で7%以上、その他線径が10%以上細くなったものは使用しないで下さい。 | |
変色 | 灰色・鈍青色は不可 | 熱影響で変色(灰色・鈍青色)した場合、強度が低下しているので、使用しないで下さい。 | |
腐食 | 著しい腐食 孔食 |
著しい腐食や局部的に孔食している場合は、使用しないで下さい。 | |
磨耗 | 平行部 max.0.1d 湾曲部 max.0.15d |
平行部で10%以上、湾曲部径が15%以上細くなったものは使用しないで下さい。 | |
伸び | Y=max.1.05P | 1リンクの長さが規定の5%以上伸びているものは使用しないで下さい。 |
※上記は参考値であり、各コンベヤ装置によって条件が異なりますので、必要に応じ、御参照下さい。
仕様は商品改良のため、予告なく変更することがあります。あらかじめご了承ください。